築城基地(福岡県築上町)は、北九州市に隣接する「最前線の矛(ほこ)」として、2026年度に向けて極めて大きな変革の時期を迎えています。北九州港や北九州空港が「後方支援・物流」の役割を強めるのに対し、築城基地は「直接的な戦闘能力の強化」と「日米共同の運用拠点化」が加速します。
主な変化は以下の4点に集約されます。
1. 滑走路の延長と大型機への対応
現在、築城基地では滑走路を従来の2,400mから2,700mへ延長する工事が進められています。
- 軍事的な意味: 2,700mへの延長により、自衛隊の大型輸送機(C-2)や、米軍の空中給油機(KC-130)、さらには戦闘機がフル装備(ミサイルや燃料を満載した状態)で安全に離発着できるようになります。
- 2026年度の状況: 工事は佳境を迎え、大型機を受け入れるための駐機場(エプロン)や誘導路の整備予算が重点的に投入されます。
2. 「不沈空母」化に向けた施設の強靭化(レジリエンス)
2026年度防衛予算案で強調されている「施設強靭化」の象徴的な現場となります。
- 司令部の地下化: 敵のミサイル攻撃に耐えられるよう、基地の中枢である司令部を地下へ移設・防護する整備が進みます。
- 掩体(えんたい)の強化: 戦闘機をミサイル攻撃から守るための防護シェルター(掩体)の増設や強化が行われます。
- 2026年度の変化: これまでの「古い基地の改修」から、「攻撃を受けても運用を継続できる要塞」への転換が予算面でも明確になります。
3. 「スタンド・オフ・ミサイル」の運用拠点
築城基地の第8航空団(F-2戦闘機)は、敵の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」の搭載能力強化が進められています。
- 役割: 2026年度は、改良型12式地対艦誘導弾や、JSM(ジョイント・ストライク・ミサイル)などの長射程ミサイルを基地内に安全に保管し、迅速に戦闘機に搭載するための「弾薬庫の増設・高度化」が進む見込みです。
- 兵站: 北九州市の補給拠点機能と連携し、築城基地が「発進の場」として機能します。
4. 日米共同利用の拡大(米軍の進出)
米軍岩国基地(山口県)の負担軽減や、有事の際の分散拠点として、築城基地の米軍利用が拡大します。
- 変化: 2026年度には、米軍専用の施設(隊舎や倉庫)の整備がさらに進み、平時から米軍機が飛来する頻度が増えることが予想されます。これにより、日米の相互運用性(共同で戦う能力)が飛躍的に高まります。
築城基地の機能変化まとめ(2026年度予測)
| 項目 | 以前の姿 | 2026年度以降の姿 |
| 滑走路 | 2,400m(中規模) | 2,700m(大型機・米軍機対応) |
| 防御力 | 地上の建物が中心 | 司令部の地下化・シェルター化 |
| 攻撃力 | 近接戦闘・対艦攻撃 | 長距離ミサイルによる遠距離打撃 |
| 日米連携 | 時折の共同訓練 | 常設の米軍施設を伴う共同運用拠点 |
このように、築城基地は「地域の航空自衛隊基地」から、「南西諸島防衛の要となる日米共同の戦略拠点」へと完全に脱皮しようとしています。
この基地の強化に伴い、周辺地域では「騒音対策」や「交付金によるインフラ整備」などの動きも並行して進んでいます。
