司令部地下化 進捗状況 2026.1.

浜松基地以外の主要司令部における地下化・強靭化計画の進捗状況について、2026年1月時点の情報に基づき報告します。

防衛省は、有事の際にミサイル攻撃や電磁パルス(EMP)攻撃を受けても指揮統制機能を維持できるよう、全国13か所の主要司令部等の地下化を2027年度(令和9年度)までに完了させる計画を進めています。


司令部地下化・強靭化の進捗状況レポート(2026年1月時点)

1.那覇地区(那覇駐屯地・那覇基地・自衛隊那覇病院)

南西諸島防衛の最前線として、最も優先度高く整備が進められています。

  • 現状: 2023年度(令和5年度)から予算化され、現在、陸上自衛隊那覇駐屯地(第15旅団司令部)および航空自衛隊那覇基地(南西航空方面隊司令部)において、地下司令部建屋の土木・建築工事が佳境を迎えています。
  • 那覇病院: 負傷者収容機能を維持するため、病院機能の一部についても地下化・防護強化工事が進んでおり、2027年度の完成を目指しています。

2.横田基地(航空総隊司令部)

日米の共同作戦のハブとなる横田基地では、航空自衛隊の航空総隊司令部の防護能力強化が図られています。

  • 現状: もともと航空総隊司令部は地下構造を有していましたが、安保3文書に基づく強靭化計画により、最新のEMP(電磁パルス)防護性能の付与や、CBRN(化学・生物・放射性物質・核)フィルターの更新、通信設備の冗長化工事が進行中です。
  • 連携: 在日米軍司令部との調整機能を維持するための強靭な通信インフラ整備も並行して進められています。

3.府中基地(航空支援集団司令部・宇宙作戦群)

航空作戦の支援や宇宙状況監視(SSA)を担う府中基地も、重要拠点として整備対象です。

  • 現状: 航空支援集団司令部や、近年重要性が増している宇宙作戦群の指揮所が入る庁舎の強靭化が進められています。
  • 内容: 建物の防護能力を高めるための構造強化(壁厚の増強等)および、地下化を含めた重要設備の再配置計画が進んでおり、2025年度から本格的な設備導入フェーズに移行しています。

4.その他の主要拠点の状況

「主要司令部等の地下化」は、2026年1月現在、以下の拠点でも同時並行で進められています。

  • 市ヶ谷(防衛省本省・統合作戦司令部): 2024年度末に新設された「統合作戦司令部(JJOC)」の恒久的な指揮所として、市ヶ谷庁舎の地下化・高度化が進められています。
  • 朝霞(陸上総隊司令部): 陸上自衛隊の最高司令部である陸上総隊司令部の地下化工事が継続中。
  • 健軍(西部方面総監部): 九州の防衛を担う健軍駐屯地(熊本県)でも地下司令部の建設が進展。
  • 新田原・築城基地: 九州の航空拠点でも、作戦指揮所の地下化・分散化が進行中。
  • 舞鶴・千歳(新規追加): 2025年度予算案から新たに海上自衛隊舞鶴地方総監部航空自衛隊千歳基地が地下化対象に追加され、現在、地質調査や設計の段階にあります。

特徴的な整備内容

これらの地下司令部は、単に「埋める」だけでなく、以下の機能を備えることが標準仕様となっています。

  1. EMP防護: 電磁パルス攻撃による電子機器の破壊を防止するシールド。
  2. CBRN防護: 防護フィルターを通じた空気清浄システムにより、汚染環境下でも活動継続を可能にする。
  3. 自立型エネルギー: 数週間以上の立てこもりを想定した、水・燃料・食料の備蓄および自家発電設備の強化。

まとめ:

2026年現在、計画されている13施設のうち、先行した那覇・健軍・築城などは目に見える形で構造物が完成しつつあります。最新の舞鶴・千歳を除き、2027年度末(令和9年度末)の全拠点運用開始に向けて、工事は概ね計画通り進行していると評価されています。


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