日米共同軍事演習「レゾリュート・ドラゴン25」の中止を求めます

「防衛」政策

 2025年9月11日から25日にかけて、日本各地、とりわけ沖縄県内において実施されようとしている日米共同実動軍事演習「レゾリュート・ドラゴン25」は、「台湾有事」を念頭に置いた実戦訓練であり、地域住民の生命、生活、平和に重大な脅威をもたらすものです。
 本演習では、与那国島への高機動ロケット砲システム「ハイマース」や、米海兵隊の輸送機MV-22オスプレイ運用と陸自オスプレイの全国への展開、石垣島への無人地対艦ミサイルシステム「NMESIS」、対空短距離兵器「MADIS」の戦闘訓練、さらには宮古島では12式地対艦ミサイルの輸送訓練、うるま市ホワイトビーチにおける無人艇「ALPV」の展開など、最新兵器の実戦運用を目的とした軍事演習が行われます。沖縄以外においても、日米オスプレイやCH47ほか、多数のヘリを展開しての負傷者輸送訓練、兵站訓練(補給品の空中投下訓練)、対艦戦闘訓練、上陸戦闘訓練などを計画。北海道では、九州・沖縄のミサイル部隊を束ねる第2特科団と米軍とが共同で実弾射撃訓練を、また遠征前進基地作戦の中核部隊である第12海兵沿岸連隊と陸自12式地対艦ミサイル部隊とが指揮機関訓練をするなど、一層具体的な戦闘を想定した、米軍指揮下での日米が一体となる共同訓練が行われます。
 中でも、山口県の岩国基地において国内初となる米軍中距離ミサイル発射装置「タイフォン」の展開は重大なエスカレートです。「タイフォン」の展開を認めれば、米軍中距離ミサイルの日本配備に道を開くことになりかねません。日米拡大抑止が強化されるもとでの”核搭載可能”な中距離ミサイル配備は、米軍による日本-アジアでのミサイル戦争態勢の本格化であり、唯一の戦争被爆国において許されることではありません。
 また、嘉手納基地における米軍無人偵察機の「無期限展開」、海上保安庁による無人機の追加配備など、軍事的緊張の増大は日々現実のものとなっています。九州・西日本、そして全国で戦争体制づくりがすすめられ、このままでは「日本列島が米軍の捨て石」にされる危険性を否定できません。「備え(軍備)すれば憂い増す」ことになるのです。
 こうした動きは、「住民の安全」や「地域の民意」を顧みることなく進められており、過去の戦争の記憶と向き合ってきた沖縄県民をはじめとする全国民の平和への切実な願いを踏みにじるものです。「抑止力」の強化や兵器の無人化によって命と生活の損失は軽減されるものではありません。歴史が証明する通り、真っ先に命が奪われるのはそこに暮らす住民です。
 「戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク」は、本演習に全国各地で反対の声を上げる市民と連帯し、以下のことを強く求めます。

一、日米両政府は日米共同軍事演習「レゾリュート・ドラゴン25」を即刻中止すること。
一、沖縄をはじめ全国各地へのミサイル配備、無人兵器・偵察機の展開を直ちに見直し撤回すること。一、岩国基地での米軍中距離ミサイルシステム「タイフォン」の展開を撤回させること。
一、全国各地でのオスプレイの運用を中止すること。
一、地域住民の声を真摯に受け止め軍事強化ではなく平和外交と対話を優先する政策転換を行うこと。

 私たちは「もの言わぬ民は滅びる」の言葉を胸に、いのちと平和と未来を守るため、声を上げ続けます。

2025年8月29日

                     戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク

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